あなたの歯を守るために ― 定期メンテナンスの重要性とは?
「最近、歯が痛くなったこともないし、歯医者に行く必要はないかな」――そんなふうに思っていませんか?実は、多くの歯のトラブルは自覚症状が出てからではすでに進行していることが多く、発見が遅れることで治療が長引いたり、費用がかさんだりすることもあります。だからこそ、「定期メンテナンス」が大切なのです。
今回は、歯の定期メンテナンスを受けることの大切さと、そのメリット・デメリットについてご紹介します。
■ 定期メンテナンスとは?
歯科医院で行う「定期メンテナンス」は、単なる虫歯チェックではありません。歯や歯ぐきの健康状態を確認し、プラークや歯石の除去、歯周ポケットの検査、必要に応じてフッ素塗布などを行う予防ケアのことです。通常、3~6ヶ月ごとに受けることが推奨されています。
■ 定期メンテナンスのメリット
1. 虫歯・歯周病の早期発見・予防
虫歯も歯周病も、初期段階ではほとんど症状がありません。しかし、定期的にプロのチェックを受けることで、ごく初期の異変にも気づくことができ、早期治療につなげられます。結果として治療が簡単に済み、歯を削る量や痛み、治療費も少なくて済むのです。
2. 口腔内のクリーニングでスッキリ清潔に
どんなに丁寧に歯みがきをしていても、完全にプラークや歯石を除去するのは難しいものです。定期メンテナンスでは、専用の器具を使ってこれらを徹底的に除去することで、口臭予防にもつながり、お口の中を爽快に保てます。
3. 歯の寿命が延びる
歯周病は、成人の歯を失う最大の原因です。知らないうちに進行し、気づいたときには抜歯が必要になっていることも。定期的なケアを続けることで歯ぐきの状態を良好に保ち、歯を長く使うことができます。
4. 全身の健康にも良い影響を
歯周病菌が血管を通じて全身に広がると、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などさまざまな病気のリスクが高まると言われています。口の健康を守ることは、全身の健康維持にもつながるのです。
■ 定期メンテナンスを受けないとどうなる?
逆に、定期的なケアを怠るとどうなるのでしょうか。
1. 痛みが出てからの治療で負担が大きくなる
歯のトラブルは放っておくと進行します。痛みが出てからでは、すでに神経にまで虫歯が到達していたり、歯ぐきが大きく後退していたりすることも。治療の期間も長くなり、費用もかさむケースが少なくありません。
2. 自分では気づかない進行が起こる
歯周病のように自覚症状が出にくい病気は、知らず知らずのうちに進行していきます。気づいたときには、歯がグラグラして噛めない状態になっていることも。そうなると、噛む力の低下や見た目の変化、発音の問題など、生活の質にも影響を及ぼします。
3. 結果的に自分の歯を失うリスクが高まる
歯を失ってしまえば、入れ歯やインプラントなど人工的な手段に頼るしかなくなります。どんなに技術が進歩しても、自分の歯に勝るものはありません。自分の歯を守るには、日頃のケアと定期的なプロのサポートが欠かせません。
■ まとめ
歯の定期メンテナンスは、「今、痛みがないから大丈夫」と思っている方にこそ、受けてほしい大切なケアです。将来の大きな治療を避けるためにも、そして何より自分の歯でずっと美味しく食べていくためにも、ぜひ定期的なメンテナンスを習慣にしていきましょう。