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唾液がネバネバする

ネバネバorサラサラ?唾液の種類と役割

唾液には、サラサラとしたものとネバネバとしたものがあります。
唾液の状態は、時間帯や体調、個人差などによって違いがありますが、特にお口の健康状態と密接に関係しています。
ここでは、サラサラの唾液とネバネバの唾液の違いと特徴について説明します。

漿液性(しょうえきせい)
=サラサラ

サラサラとした唾液は漿液性唾液と呼ばれ、お口の中を清潔に保つ役割を担っています。流動性が高いため、食べカスや細菌などを洗い流し、虫歯や歯周病の予防に効果的です。
食べ物を咀嚼している時には、このサラサラした唾液が多く分泌されます。

粘液性(ねんえきせい)
=ネバネバ

ネバネバとした唾液は粘液性唾液と呼ばれ、口腔内の粘膜を保護する役割があります。
緊張やストレスを感じている時などには、粘液性唾液の分泌が増加します。
これは、ストレスによって傷つきやすくなった口の中を保護するための、体の正常な反応です。
つまり、ネバネバした唾液は、必ずしも悪いものではありません。

唾液がネバネバする原因

虫歯・歯周病
(細菌の繁殖)

虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖すると、唾液がネバネバすることがあります。

虫歯について詳しく

歯周病について詳しく

ドライマウス
(唾液分泌の減少)

唾液の分泌量が減少するドライマウスも、ネバネバの原因の一つです。
口呼吸や咀嚼不足、加齢などが原因で唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、ネバネバとした状態になり、細菌が繁殖しやすくなります。

舌苔

舌苔は舌に付着する白い苔状のもので、誰でも多少はあります。
舌が真っ白になるほど溜まると口の中がネバネバする原因となります。

磨き残し・ケア不足

虫歯や歯周病でなくても、毎日の歯磨きなどのセルフケアが不足すると、口腔内の細菌が増殖し、唾液がネバネバすることがあります。

ストレス

ストレスを感じると、交感神経が優位になり、ネバネバした粘液性唾液の分泌が増加します。リラックスしている時は、サラサラとした漿液性唾液が分泌されやすいです。

全身疾患

更年期障害、糖尿病、シェーグレン症候群などの全身疾患が、唾液のネバネバを引き起こす場合もあります。
このような疾患が疑われる場合には、各専門の医療機関の受診をご案内します。

唾液がネバネバして咳も出る…
ドライマウスが進行すると?

ドライマウス唾液量が減少し、口の中が乾燥した状態を「口腔乾燥症」、またはドライマウスと呼びます。
ここでは、ドライマウスの主な症状を5つご紹介します。

喉の痛み・咳が出る

ドライマウスになると、喉も乾燥しやすくなり、痛みや咳が出ることがあります。唾液の分泌量が減っていなくても、喉の乾燥や渇きを感じる場合は、広義のドライマウスに含まれる場合があります。

虫歯や歯周病になりやすい

唾液には、お口の中を清潔に保つ自浄作用や抗菌作用があります。ドライマウスになるとこれらの作用が弱まり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

口臭が強くなる

唾液の自浄作用が低下することで、歯垢が溜まりやすくなり、口臭の原因となることがあります。

舌の痛み・ひび割れ

ドライマウスが進行すると、舌の粘膜も乾燥し、痛みやひび割れが生じることがあります。舌にヒリヒリとした痛みや熱さを感じる場合は、舌痛症の可能性があります。また、舌に溝ができる溝状舌も、ドライマウスによって生じるものの一つです。

唾液のネバネバを放置するとどうなる?

歯周病や虫歯が進行する

ネバネバした唾液の中では、歯周病菌や虫歯菌が増殖しやすくなります。歯周病は歯を失う原因の第一位であり、自覚症状が少ないまま進行し、放置すると歯が抜け落ちるリスクがあります。

口臭がきつくなる

ネバネバした唾液中の細菌は、アンモニアや硫化水素などの臭気ガスを発生させます。そのため、唾液のネバネバを放置すると口臭が悪化する可能性があります。

味覚障害が出る

唾液は味覚を感じるための大切な役割を果たしています。唾液が不足すると、味覚物質が味蕾(みらい)と呼ばれる味覚センサーに届きにくくなり、味覚障害を引き起こす可能性があります。

誤嚥性肺炎を引き起こす

唾液が減少すると、食べ物をスムーズに飲み込めなくなり、細菌や食べ物が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。特にご高齢の方にとって、誤嚥性肺炎は命に関わることもある病気です。

唾液がネバネバするときの治し方

虫歯や歯周病が原因の場合は、まずはそれらの治療が必要です。
詳しくはこちらからご覧ください。

原因が虫歯・歯周病以外にある場合の治療法

唾液がネバネバするときの治療お口のクリーニング、歯磨き指導などを歯科医院で受けることをおすすめします。
歯磨き指導では、歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシ・ワンタフトブラシ・舌ブラシ・マウスウォッシュなどによるセルフケアの方法をお伝えします。
ドライマウスの治療については、食習慣の改善、唾液腺マッサージなどが有効であり、こちらも指導させていただきます。
また、更年期障害・糖尿病・シェーグレン症候群といった身体の病気が疑われる場合には、各専門の医療機関の受診をご案内します。
ネバネバの原因を調べ、お一人おひとりに合った治療を提案いたしますので、それ以外に症状がないという場合も、どうぞお気軽にご相談ください。

唾液がネバネバするとき
自分でできる改善・対処方法

唾液のネバネバを改善するには、唾液の分泌を促し、口腔内細菌を減らすことが大切です。
具体的な方法を以下に示します。

食後・就寝前の歯磨き

毎食後、間食後、就寝前は、丁寧に歯を磨き、口腔内の細菌の増殖を抑えましょう。
歯の裏側や歯間など、磨き残しやすい部分に注意し、正しいブラッシング方法を身に付けることが大切です。デンタルフロス・歯間ブラシ・ワンタフトブラシも併用しましょう。
また舌苔が多い方は、1日1回の舌ブラシの使用をおすすめします。

唾液の分泌させる食事

酸味のある食べ物や、よく噛む必要がある食べ物は、唾液の分泌を促します。
また、ある程度硬さのあるものを食べることも大切です。必然的に咀嚼回数が増え、唾液の分泌が促されます。
食後のガムなども効果的です。虫歯予防のため、キシリトールガムをおすすめします。

マッサージで唾液腺を刺激する

耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージすることで、唾液の分泌を促すことができます。特に、耳下腺からはサラサラとした唾液が分泌されるため、奥歯のあたりを優しくマッサージするのが効果的です。

ストレスを緩和させる

ストレスはネバネバした唾液の分泌を促すため、質の良い睡眠や休息を十分に取り、ストレスを軽減することが効果的です。リラックスすることで、サラサラとした唾液の分泌が促されます。

マウスウォッシュで口をゆすぐ

マウスウォッシュを使用することで、口腔内細菌を減らし、増殖を抑えることができます。